第五福竜丸展示館
6月6日、「車両基地イベント in 新木場」に行った後、夢の島にある「第五福竜丸展示館」に行った。
都の運営で入場は無料。
この展示館を見るまで、「第五福竜丸」はビキニ環礁でアメリカの水爆実験の被害にあった...、ぐらいに考えていました。被害にあったのも「第五福竜丸」だけだと思っていました。
この展示館を見て、自分の歴史認識を変えられました。その内容が衝撃的でした。
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「第五福竜丸」は焼津港を母校とする遠泳マグロ漁船。
1954年、ビキニ環礁(アメリカが設定していた危険水域外)で操業中に水爆実験によって被爆。この時行われた水爆実験はアメリカが想定していた3倍の威力があったとの事。
灰を浴びたものの、乗員達はそのまま焼津港に帰港。帰港後灰を浴びたままそのまま街に繰り出す等乗務員自身はあまり事の重大を感じていなかったらしい。
検査が行われ乗務員全員が被爆している事が分かり、東京の病院に治療を行う事になる。
その内1人は後に死亡。亡くなった方やその家族の手記が展示されていた。
被害にあったのはその「第五福竜丸」ではなかった。
第五福竜丸が獲ったマグロからだけではなく、他の漁船が獲った多くのマグロからも放射能が検出。大量のマグロが築地市場内の地中に埋められたとの事。
→ 「そんな所に埋めて大丈夫だったのだろうか~」と思った。
その他、海流に乗って放射能が運ばれ、日本国内で放射能を含んだ雨が降った。
日本だけでなくビキニ環礁辺りの住民も被害に遭い、一部の島では島民全員が他の島に避難したとの事。
アメリカからの被爆者補償はあったとの事。
展示室では明確には書かれてはいましたが、「保障するからあまりこの問題については追及しないでね!」というメッセージであり、日本政府がそれを飲んだと言う事のように感じました。日本は敗戦国であり、終戦後それほど経っていない時期だったので強くは出られなかったというのが事実なのかな。
実際「これで終わり」みたいな感じになったようです。
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なんだかね。
恐ろしく感じた。
何が一番恐ろしいかと言うと、爆発した周辺だけではなく世界規模で被害が出てしまう事だ。
理屈上の謳い文句ではなく、実際にこういう事があったのだと、まざまざと認識させられました。
「自分が住んでいる国や都市に落ちなければ良い!」や「嫌いな敵国に落として懲らしめれば良い!」なんて事は言ってられません。
意図的・非意図的問わずに核兵器が使用され、その結果地球が滅びるなんて時代が訪れない事を願います。
とりあえずは、この「第五福竜丸展示館」を永遠に残していけなければならないのではないかと思いました。
運営しているのが国ではなく「東京都」というのが面白い所でもあります。
被爆後東京水産大学の持ち物となり、その後廃船になって夢の島に捨てられていた所を見つけられ、有志によって保存運動が起こり、東京都が保存を引き受けたようです。
<館内に飾られている折鶴>
全国の小中学校から送られた折鶴が飾られています。
自分の母校からの折鶴がありました。
<第五福竜丸のエンジン>
廃船後別の船に載せ換え。その船はその後沈没。沈没の28年後に海から引き上げられたそうです。
<マグロ塚>
放射能を浴びて築地市場の地中に埋められたマグロの慰霊碑です。
本来は築地市場に建てる所を..(以下失念) と書かれていました。
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