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2008/02/17

アンコール 世界遺産ナスカ展 (国立科学博物館)

2月16日、東京・上野の国立科学博物館で開催されている「アンコール 世界遺産ナスカ展」に行った。

2006年3月から国立科学博物館を皮切りに全国9会場を巡回したナスカ展のアンコール・ファイナルとの事だが、自分としては初めての見学。
主な展示内容は、ナスカ文化の土器・ミイラ、バーチャルで飛ぶ! ナスカの地上絵シアター。
ナスカ文化は、紀元前100年から紀元後700年頃まで南米・ペルーの南部海岸地帯で栄えた文化を指す。

<ナスカ文化の土器>
土器に描かれた絵を元に当時の生活様式等を知ろう.. というのが展示の趣旨と思われ、展示物の半分以上を占める。
ナスカ時代は日本で言うと弥生時代付近に当たるものと思われるが、日本の弥生式土器と感じが異なった。

日本の弥生式土器:
・光沢がないか、既に光沢が失われている
・色が付いていないか、付いていても薄くなったり既に消えていたりする
・絵はあまり描かれていない
・形は単純

ナスカの土器:
・今も光沢がある
・色がくっきり付いている
・絵が描かれており、絵のタッチがイラストみたいな感じ。
・描かれている絵にあわせた複雑な形をしているものもある。(土器の形が頭の形になっている等)

やや言いすぎなのかもしれないが、ナスカ土器が現在の食器売り場に並んでいても、それほど違和感がないのではないかと思った。
会場の壁に張られていた「Q&A」によると、土器の焼き方の違い(窯を使うのではなく地面に穴を掘ってそこで焼く)や、気候の違い(ナスカは乾燥しておりほとんど雨が降らない) が影響しているとの事。

土器に描かれた絵で、当時の生活様式等が分かった。

<ナスカ文化のミイラ>
ミイラ自体は自分にはあまり興味はないのだが、その横に展示されていた頭蓋骨が怖かった!
頭蓋骨に穴を開けて行う手術や、子供の頃に頭の形を変形させる風習があったそうだ。

<ナスカの地上絵>
地面が岩で覆われている地域にあり、線の部分だけ20~30cm程度の深さで岩を取り除いて絵が表現しているとの事。
現地は乾燥しており雨がほとんど振らない為、風化せずに現在も絵が残っているそうだ。
近年、自動車等の侵入や、エルニーニョ現象による降雨により、破壊の危機に立たされているとの事。

<バーチャルで飛ぶ! ナスカの地上絵シアター>
バーチャルリアリティを用いたCGで、飛行機に乗って上空からナスカの地上絵を眺めるような形の13分の映像が、大きなスクリーンに映し出される。
迫力はあったがあくまでCG、映像作成者が考えた想像上のナスカの地上絵を見せられているような感じがした。
勘ぐり過ぎかもしれないが「この映像はどこまで本物と信じたらよいのだろう...?」って。
現地で撮影した本物の映像をCG化したもので、地上絵自体は脚色していないとは思うんですけどねぇ..。

迫力には欠けるかもしれないけど、自分としては、CGではなく加工していない現地で撮影した本物の映像を見たかった。

<シカン発掘研究>
過去何度かロロ神殿の発掘調査が行われており、今年の夏、神殿中央部の発掘調査を行うそうだ。
そして来年の夏に、国立科学博物館で「黄金の都 シカン発掘展Ⅱ」を開催するとの事。
「シカン発掘展Ⅱを開催するための発掘調査?」(調査の目的が違うんでは?)と言う感じがしなくもなかったが、これと言ったものが発掘されなかった場合、来年夏の「シカン発掘展Ⅱ」はどうするのだろう。
余計な心配をしてしまったが、模造とか...しないよね?

<まとめ>
見るものが多く、人も多く、疲れてしまったが、ためになった特別展であった。
会場内での列の進みも悪く、入場してから出てくるまでに3時間程度かかった。
自分が入場した時は待ち時間なしで入れたが、時間帯によっては入場待ちがあったようだ。
「アンコール 世界遺産ナスカ展」は、2月24日まで開催。

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